消化器外科(上部消化管グループ)活動報告 (虎の門病院年報より抜粋)

 2010年度

2010年度の胃癌,胃GIST全初診入院患者は199人。胃全摘42例、幽門側胃切除122例(うち幽門保存8例)、噴門側胃切除10例、残胃全摘3例、その他の切除7例と術式は多様。術前診断上の早期癌には腹腔鏡下胃切除術を患者さんの同意のもとに積極的に適応し、上記症例数の内数として、腹腔鏡下に58例の幽門側胃切除術(うち幽門保存4例)、3例の胃全摘術、1例の噴門側胃切除術、4例の局所切除術を施行した。

2010年度初診の(食道胃接合部癌を含む)食道癌入院患者は83名で、2010年度中に食道癌切除術は51名に施行された。根治的化学放射線療法後の残存・再燃に対するいわゆるサルベージ手術は3名であった。食道バイパス術は5例に行われた。切除症例中術前化療が23例、術前化学放射線療法が1例に行われていた。2006年度途中より、充分な検討・準備と説明のうえ、胸腔鏡下食道切除術を開始したが、2009年度中には37例にこれを適用し、35例で通常開胸に移行することなく手術を完了した。術死、在院死はない。内視鏡的粘膜切除術は消化器内科にて施行されている。食道癌の治療体系に変化に伴い、術前無治療の食道切除症例のみの成績を示すことの意義は少なくなった。本稿の末尾に、術前後補助療法施行症例を含めた術前臨床診断によるTNMのstage分類別の生存率を示した。術前診断の困難性に起因する問題もあるが、より実際的な資料と考える。

食道癌・胃癌とも術後補助、再発治療を中心とした入院・外来通院化学療法(食道癌に対する化学放射線療法を含む)が多数に施行された。食道癌においては、非切除治療希望の患者さんにも根治的化学放射線療法を施行した。再発に対しても患者さんとの相談の上で可能な限り集学的に積極的な治療を提供している。また、食道癌、胃癌とも再発例も含め、外科、内科(消化器内科、臨床腫瘍科)、放射線科、病理学科合同の毎週の上部消化管治療カンファレンスで治療方針に付き検討を加えている。


この他主に内視鏡手術で、10件の急性虫垂炎手術、12件の胃十二指腸潰瘍穿孔の手術が行われた。7件の食道アカラシア根治術、7例の食道裂孔ヘルニア手術も主に内視鏡手術として行われた。その他69件の(鼠径・臍・腹壁瘢痕)ヘルニア手術、38例の栄養瘻造設術(主にPEG)、4件の腸閉塞解除術、1例の小腸癌手術、その他5件と、良悪性にわたり幅広い外科的治療を行った。
臨床において「標準治療」に関するコンセンサスが必ずしも得られていない現状では、往々にして日常診療と研究の間に明確な線は引き難いが、私たちは極力両者を区別し、患者さんに明示した上でインフォームドコンセントを得ることを原則としている。この様な手続きの上で現在「食道癌におけるセンチネルリンパ節理論の検証としての術中センチネルリンパ節の同定」「術中内視鏡色素注入による胃癌におけるセンチネルリンパ節理論の検証」等の臨床研究を遂行中である。


2011年度への展望


食道癌に対する胸腔鏡下手術を開始して5年半を超え、胸腔鏡手術の長所も注意点も、さらに明らかとなってきた。私たちの考える胸腔鏡手術の長所とは、拡大視野での観察と直視不能な角度からの観察が可能にするより精緻な手術、視覚情報を共有することによる安全性の向上と高い教育的効果などである。本手術が開胸術と同等の根治性を備えていることの検証を慎重に推進してゆきたい。従来から当科の特徴的手術であった左胸腹連続切開法を、2009年度より胸腔鏡を併用してより侵襲の少ない、大開胸を回避する術式に改変するなど、術式の低侵襲化に常に努めているが、この方向を今後も押し進めてゆきたい。胃癌でも早期胃癌への腹腔鏡下手術は既に準標準手術であり、さらに複雑な手術への適応拡大も進んでいる。胸腔鏡・腹腔鏡手術の光学機器は既にハイビジョンシステムが導入されており、体腔鏡手術の精緻化が進められている。今後3D画像の応用、ロボット手術の導入と次の課題が既に控えている。


低侵襲と機能温存は我々の大きなテーマである。体腔鏡を使用した手術はますます拡大するが、あくまで手術のアプローチであり、手術の本質は安全性と根治性、そして機能の温存にあることを改めて肝に銘じたい。今後とも、食道・胃疾患を中心に高い医療水準を保持すると共に、徹底した情報の提供と合意による、患者さんが納得の出来る医療を提供していきたい。医療に注がれる目の厳しい昨今ではあるが、安易に妥協、萎縮することなく、あるべき医療を積極的に提案し続けてゆきたい。

胃癌・食道癌の治療成績(5年生存率)

(食道癌の治療体系に変化に伴い、術前無治療の食道切除症例のみの成績を示すことの意義は少なくなった。下欄(黄色)では、術前後補助療法施行症例を含めた、術前臨床診断によるTNMのstage分類別の生存率を示した。術前診断の困難性に起因する問題もあるが、より実際的な資料と考える。

胃癌 病理Stage *1
pSt IA
IB
II
IIIA
IIIB
IV
    当院*2
92.2
86.2
78.6
61.7
29.4
25.1
    全国集計*3
93.4
87.0
68.3
50.1
30.8
16.6
食道癌 臨床TNM Stage *4
cSt T
IIA
IIB
III
IVA
IVB
R1,2 *7
    当院根治切除 *5
90.3
51.5
72.6
47.5
42.6
55.4
14.4
    当院全切除 *6
90.5
50.5
69.4
41.6
32.5
45.7
    全国集計(2002)
71.2
49.2
42.8
27.7
18.4
30.2
  食道癌病理LN個数 *8
0
1-3
4-7
8-
    当院根治切除 *5
83.5
60.9
44.6
21.8
    当院全切除 *6
79.5
56.5
40.8
14.9

    全国集計(2002)

62.9
39.7
14.2
8.7

注)数字はすべて他因死 を含む。

*1: 胃癌学会分類,
*2: 1994-,根治度Cを除く,
*3: 1991,D2以上,
*4: 術前StagingによるTNM(第6版)分類,
*5: 1998-2009, R0切除のみ,
*6: 1998-2009, R0〜2全例,
*7: 1998-2009, R1,R2切除例のみ,
*8: 病理学的転移リンパ節個数,

 

(以下の説明も、年報よりの抜粋ではありません。)
*4 術前TNM-Stagingについて: cStage IIAとIIBの結果の逆転は、術前診断の困難さを物語っています。IIAはcT2,3 N0であり、IIBはcT1,2 N1ですから、N因子についての術前診断に余り信頼性はなく、術前Stagingから予後を予想しようとする場合には、T因子のほうが予後と強く相関している、と言ってよいのかも知れません。
*8について: 術前リンパ節転移診断がなかなか困難な一方で、病理学的リンパ節転移個数(実際に手術でリンパ節を取って顕微鏡で調べた転移リンパ節個数)は、食道癌における最も重要な予後規定因子であるといわれています。術前治療を受けた後の症例におけるリンパ節転移個数をどう扱うべきかも、術前治療が一般的となった現在の新たな問題ですが、ここでは術前治療の有無を問わず、手術時の病理学的リンパ節転移個数に従って分類しました。

<以下は過去の年報からの抜粋です>

 2009年度

2009年度の胃癌全初診入院患者は199人。胃全摘58例、幽門側胃切除97例(うち幽門保存12例)、噴門側胃切除17例、残胃全摘6例、その他3例と術式は多様。術前診断上の早期癌には腹腔鏡下胃切除術を患者さんの同意のもとに積極的に適応し、56例の腹腔鏡下胃切除術、6例の腹腔鏡下胃全摘術を施行した。術死・在院死なし。

2009年度初診の(食道胃接合部癌を含む)食道癌入院患者は100名で、2009年度中に食道癌切除術は62名に施行された。根治的化学放射線療法後の残存・再燃に対するいわゆるサルベージ手術は3名であった。食道バイパス術は3例に行われた。切除症例中術前化療が27例、術前化学放射線療法が2例に行われていた。2006年度途中より、充分な検討・準備と説明のうえ、胸腔鏡下食道切除術を開始したが、2009年度中には40例にこれを適用し、37例で通常開胸に移行することなく手術を完了した。これらの患者さんのうち、特発性間質性肺炎合併の患者さんに対して食道切除再建術を行った一人に、術後間質性肺炎の急性増悪が生じ、術後30日目に死亡された。そのほかには術死、在院死はない。内視鏡的粘膜切除術は消化器内科にて施行されている。

食道癌・胃癌とも術後補助、再発治療を中心とした入院・外来通院化学療法(食道癌に対する化学放射線療法を含む)が多数に施行された。食道癌においては、非切除治療希望の患者さんにも根治的化学放射線療法を施行した。再発に対しても可能な限り患者さんとの相談の上で集学的に積極的な治療を提供している。また、再発例も含め、外科、内科(消化器内科、臨床腫瘍科)、放射線科、病理学科合同の毎週の食道癌治療カンファレンスで治療方針に付き検討を加えている。

この他主に内視鏡手術で、19件の急性虫垂炎手術、6件の胃十二指腸潰瘍穿孔の手術が行われた。4件の食道アカラシア根治術、5例の食道粘膜下腫瘍手術、2例の食道裂孔ヘルニア手術もすべて内視鏡手術として行われた。その他58件の(鼠径・臍・腹壁瘢痕)ヘルニア手術、43例の栄養瘻造設術(主にPEG)、20件の腸閉塞解除術、1例のZenker憩室手術、その他40件と、良悪性にわたり幅広い外科的治療を行った。

2008年度

2008年度の胃癌全初診入院患者は197人。胃全摘50例、幽門側胃切除115例(うち幽門保存11例)、噴門側胃切除15例、残胃全摘4例、その他10例と術式は多様。術前診断上の早期癌には患者さんの希望を聴取の上積極的に腹腔鏡下手術を適応、51例の腹腔鏡下胃切除術、2例の腹腔鏡下胃全摘術を施行した。術死・在院死なし。

2008年度初診の食道癌入院患者は112名で、2008年度中に食道癌切除術は53名に施行された。根治的化学放射線療法後の残存・再燃に対するいわゆるサルベージ手術は6名であったが、残念ながら、サルベージ手術のうち1名が在院死(手術関連死亡)した。食道バイパス術は3例に行われた。切除症例中術前化療が19例、術前化学放射線療法が4例に行われていた。
2006年度途中より開始した胸腔鏡下食道切除術は、術前放射線治療例、腫瘍の大きなT3を除いて標準的術式となり、2008年度中に34例にこれを適用し、28例で通常開胸に移行することなく手術を完了した。切除不能症例のみならず、非切除治療希望の患者さんにも根治的化学放射線療法を中心に多様な治療を展開した。

食道癌・胃癌とも、術後補助、再発治療を中心とした入院・外来の化学療法・化学放射線療法が多数に施行された。再発に対しても可能な限り患者さんとの相談の上で集学的に積極的な治療を提供している。また、食道癌では再発例も含め、外科、内科、放射線科、病理学科合同の毎週のカンファレンスで治療方針に付き検討を加えている。食道癌・胃癌の内視鏡的粘膜切除術、粘膜下切開剥離術は消化器内科が施行している。


この他、主に内視鏡手術で37件の急性虫垂炎手術、8件の胃十二指腸潰瘍穿孔の手術が行われた。2件の食道アカラシア根治術、2例の食道粘膜下腫瘍手術、3例の食道裂孔ヘルニア手術もすべて内視鏡手術として行われた。その他83件の(鼠径・臍・腹壁瘢痕)ヘルニア手術、47例の栄養瘻造設術(主にPEG)、13件の腸閉塞解除術、1例のZenker憩室手術、その他43件と、良悪性にわたり幅広い外科的治療を行った。


2007年度

2007年度の胃癌全初診入院患者は208人。カルチノイド、GISTなど他疾患も含めて、胃全摘38例、幽門側胃切除130例(うち幽門保存19例)、噴門側胃切除22例、残胃全摘7例、その他10例と術式は多様。術前診断上の早期癌は従来の開腹術とするか腹腔鏡下胃切除術とするかを患者の希望に従って決定し、43例の腹腔鏡下胃切除術を施行した。術死なし。姑息的胃全摘症例に1例の術後在院死を経験した。

2007年度初診の食道癌入院患者は78名で、2007年度中に食道癌切除術は51名に施行された。直死在院死なし。食道バイパス術は1例に行われた。切除症例中術前化療が12例、化学放射線療法が7例に行われていた。2006年度途中より、充分な検討・準備と説明のうえ、胸腔鏡下食道切除術を開始したが、2007年度中には29例にこれを適用し、26例で通常開胸に移行することなく手術を完了した。内視鏡的粘膜切除術は消化器内科にて施行されている。

食道癌・胃癌とも術後補助、再発治療を中心とした入院・外来通院化学療法(食道癌に対する化学放射線療法を含む)が多数に施行された。食道癌に於ては、非切除治療希望の患者さんにも根治的化学放射線療法を施行した。再発に対しても可能な限り患者さんとの相談の上で集学的に積極的な治療を提供している。また、再発例も含め、食道癌を対象に、外科、内科、放射線科、病理学科合同のカンファレンスを毎週1階開催し、治療方針に付き検討を加えている。

この他31件の急性虫垂炎手術、3件の胃十二指腸潰瘍穿孔の手術(ともに主に内視鏡手術)、93件の(鼠径・臍・腹壁瘢痕)ヘルニア手術、5件の腹腔鏡下食道アカラシア根治術、進行アカラシア2例に対して食道切除再建術、2例の良性食道狭窄手術、24例の栄養瘻造設術(PEGを含む) 、18件の腸閉塞解除術、その他29件と、良悪性にわたり幅広い外科的治療を行った。

2006年度

2006年度の胃癌全初診入院患者は222人、うち190人に手術が行われた。胃全摘31例、幽門側胃切除119例(うち幽門輪保存31例)、噴門側胃切除20例、残胃全摘4例、その他16例と術式は多様。条件のそろった早期癌は従来の開腹術とするか腹腔鏡下胃切除術とするかを患者の希望に従って決定し、23例の腹腔鏡下胃切除術を施行した。噴門側胃切除症例で、術後肺炎による手術直接死亡を1名経験した。縫合不全1例0.5%

2006度初診の食道癌・下咽頭癌入院患者は92名で、切除術は66名に行われた。術前化学放射線療法後の食道切除再建例に手術直接死亡を1名、下咽頭化学放射線療法後穿孔に対するサルベージ手術例に在院死1名を経験した。食道バイパス術は4例に行われた。切除症例中術前化療が12例、化学放射線療法が15例に行われていた。2006年度途中より、充分な検討・準備と説明のうえ、胸腔鏡下食道切除術を開始した。2006年度中に18例にこれを適用し、15例で通常開胸に移行することなく手術を完了した。切除不能症例に対してのみでなく、非切除治療希望の患者さんにも根治的化学放射線療法を多数施行した。内視鏡的粘膜切除術は消化器内科にて施行されている。下欄に術前治療のない胃・食道手術症例の手術成績を示した。術前化学放射線療法後切除可能となったcT4症例の5生率は15%と依然不良であるが、剥離断端陽性を危惧させるcT3症例への術前化学放射線療法の5生率は46.8%、高度リンパ節転移に対する術前化療例の5年生存率は42.9%と比較的良好である。

食道癌・胃癌とも術後補助、再発治療を中心とした入院・外来通院化学療法(食道癌に対する化学放射線療法を含む)が多数に施行された。再発に対しても可能な限り患者さんとの相談の上で集学的に積極的な治療を提供している。
この他33件の急性虫垂炎手術、9件の胃十二指腸潰瘍穿孔の手術(ともに主に内視鏡手術)、52件の鼠径ヘルニア手術、6件の腹腔鏡下食道アカラシア根治術、1例の食道裂孔ヘルニア修復術、1例のアカラシア食道切除術、22例の栄養瘻造設術(PEGを含む) 、11件の腸閉塞解除術、その他27件と、良悪性にわたり幅広い外科的治療を行った。

2006年度の術死、在院死について (これは年報よりの抜粋ではありません。)

 

慎重な術前状態の把握、スタッフ間での検討、患者さん本人・御家族との相談、熟慮の上の術式決定、そして精力的な術後管理にもかかわらず、2006年度には胃癌に一人、食道癌で一人、下咽頭癌で一人の手術関連死を経験しました。それぞれの患者さんに特殊な事情があり、「今後同様の状況におかれたら、今回と違う選択をするだろうか?」と自問してみても、必ずしも「Yes」と答えることはできないのですが、手術関連死という事実は事実として、深く受け止めています。ここしばらくこのような事態に直面せずにおり、そのことを誇りとしていたのですが、やはり医療という仕事は潜在的に大きな危険と隣り合わせであることを、改めて思い知りました。
しかしより高い確率で癌を征圧し、少しでも長い予後を実現したい、少しでも意義のある時間を長く患者さんに過ごしていただきたい、という思いは私達の活動の大もとであり、今後とも私達はこのリスクを伴った仕事を続けていかなければなりません。病気から逃げずに闘おうとする限り、リスクをゼロにすることはできませんが、できる限りこれを下げるための取組みを継続し、患者さん・御家族に状況を良くご理解して戴き、今後ともご信頼をいただけるよう努力を続ける所存です。

 

2005年度

2005年度の胃癌全入院患者は256人、うち217人に手術が行われた。胃全摘47例、幽門側胃切除128例(うち幽門輪保存19例)、噴門側胃切除19例、残胃全摘10例と術式は多様。条件のそろった早期癌は従来の開腹術とするか腹腔鏡下胃切除術とするかを患者の希望に従って決定し、15例の腹腔鏡下胃切除術を施行した。手術直接死、在院死ともなし、縫合不全21.0%

2005年初診の食道癌入院患者は86名で(食道癌は術前治療症例が多く治療完結に時間がかかるため20051月〜12月の集計)うち61名に切除術が行われた。手術直接死、在院死ともなし。手術症例中術前化療が7例、術前化学放射線療法が15例に行われた。切除不能症例に対してのみでなく、非切除治療希望の患者さんにも根治的化学放射線療法を多数施行した。内視鏡的粘膜切除術は消化器内科にて施行されている。下欄に術前治療のない胃・食道手術症例の手術成績を示した。術前化学放射線療法後切除可能となったcT4症例の5生率は15%と依然不良であるが、剥離断端陽性を危惧させるcT3症例への術前化学放射線療法の5生率は46.8%、高度リンパ節転移に対する術前化療例の5年生存率は42.9%と比較的良好である。        

食道癌・胃癌とも術後補助、再発治療を中心とした入院・外来通院化学療法(食道癌に対する化学放射線療法を含む)が多数に施行された。再発に対しても可能な限り患者さんとの相談の上で集学的に積極的な治療を提供している。

この他2005年度には29件の急性虫垂炎手術、8件の胃十二指腸潰瘍穿孔の手術(ともに主に内視鏡手術)、69件の鼠径ヘルニア手術、9件の腹腔鏡下食道アカラシア根治術、2例の食道裂孔ヘルニア修復術、1例の腐食性食道狭窄に対する修復術、23例の栄養瘻造設術(PEGを含む) 6件の腸閉塞解除術、13件の小腸・大腸切除術、その他15件と、良悪性両分野にわたり幅広い外科的治療を行った。

 

2004年度

2004年度の胃癌全入院患者は203人、うち173人に手術が行われた。胃全摘34例、幽門側胃切除110例(うち幽門輪保存9例)、噴門側胃切除20例、残胃全摘3例と術式は多様。条件のそろった早期癌は従来の開腹術とするか腹腔鏡下胃切除術とするかを患者の希望に従って決定し、12例の腹腔鏡下胃切除術を施行した。手術直接死(在院死)なし、縫合不全21.2%。入院・外来通院化学療法も多数に施行された。

2004年初診の食道癌入院患者は90名で(食道癌は術前治療症例が多く治療完結に時間がかかるため20041月〜12月の集計)うち48名に切除術が行われた。手術直接死(在院死)なし。手術症例中術前化療が3例、術前化学放射線療法が7例に行われた。化学療法、放射線療法による非手術治療を36例に施行した。6例には内視鏡的治療が行われた。食道癌の治療体系は大きく変化しており、術前補助療法症例の予後も重要だが、剥離断端陽性を危惧させるcT3症例への術前化学放射線療法の5生率が50%強と良好である。

この他2004年度には62件の急性虫垂炎手術、8件の胃十二指腸潰瘍穿孔の手術(ともに主に内視鏡手術)、56件の鼠径ヘルニア手術、3件の腸閉塞解除術、7件の腹腔鏡下食道アカラシア根治術、1例の食道裂孔ヘルニア修復術、2例の腐食性食道狭窄に対する修復術、1例の他院食道術後吻合部狭窄の修復術など、良悪性両分野にわたり幅広い外科的治療を行った。

 

2003年度

2003年度の胃癌全入院患者は204人、うち173人に手術が行われた。胃全摘33例、幽門側胃切除99例(うち幽門輪保存6例)、噴門側胃切除15例、残胃全摘3例と術式は多様。手術直接死(在院死)1例0.60%、縫合不全3例1.7%。入院・外来通院化学療法も多数に施行された。

2003年度初診の食道癌入院患者は76名で、うち47名に切除術が行われた。手術直接死(在院死)1例。手術症例中術前化療が2例、術前化学放射線療法が9例に行われ、根治的化学放射線療法後の再発再燃症例に対する切除も3例に行われた。化学療法、放射線療法による非手術治療を19例に施行した。12例には内視鏡的治療が行われた。食道癌の治療体系は大きく変化しており、術前補助療法症例の予後も重要だが、剥離断端陽性を危惧させるcT3症例への術前化学放射線療法の5生率が50%強と良好である。

この他2002年度には41件の急性虫垂炎手術、12件の胃十二指腸潰瘍穿孔の手術(ともに主に内視鏡手術)、56件の鼠径ヘルニア手術、5件の腸閉塞解除術、2件の腹腔鏡下食道アカラシア根治術、その他25件の手術を行った。

 

2002年度

 2002年度の胃癌全入院患者は196人、うち178人に手術が行われた。胃全摘が31例、幽門側胃切除93例(うち幽門輪保存6例)、噴門側胃切除25例と術式は多様である。手術直接死0、在院死10.67%、縫合不全21.34%。入院化学療法も41例と多数に施行された。

 2002年度初診の食道癌入院患者は84名で、うち45名に切除術が行われた。手術直接死はなく在院死は24.4%であった。手術症例中術前化療が2例、術前化学放射線療法が6例に行われ、根治的化学放射線療法後の再発再燃症例に対する切除も4例に行われた。この4例を含めて化学放射線単独治療を28例、化学療法単独治療を5例に施行した。9例には内視鏡的治療が行われた。食道癌の治療体系は大きく変化しており、術前補助療法症例の予後も重要だが、剥離断端陽性を危惧させるcT3症例への術前化学放射線療法の5生率が50%強と良好である。

 この他2002年度には30件の急性虫垂炎手術、6件の胃十二指腸潰瘍穿孔の手術(ともに主に内視鏡手術)、38件の鼠径ヘルニア手術、5件の腸閉塞解除術、その他16件の手術を行った。

 

トップに戻る